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Santa Lab's Blog


「落窪物語」巻四(その36)

夜うち更けて、帥いましける。少将、しるべして導き入れつ。四の君、人も、言ふ甲斐かひなくもあらず、この殿も、かく居立ちて、し給へば、叶ふまじかりけると思ひなしてなむ、出で給ひける。手当たり、気配けはひなどのかしげなれば、うれしと思ひけり。聞い給ひけむことは、聞かねば、書かず。明けぬれば、出で給ひぬ。




夜が更けてから、帥殿(四の君の夫)が左大臣殿にやって来ました。少将(故大納言の三男)が、先に立って帥殿を西の対屋に招き入れました。四の君は、帥殿の人柄も、申し分なく、左大臣殿さえもが、立って、あれこれ帥殿の世話をするので、四の君もじっとしていられないと思って、帥殿の御前に参りました。手当たり([手に触れた感じ])、感じなどとてもよかったので、四の君はうれしく思いました。帥が四の君に話したことは、聞かなかったので、書けません。夜が明けると、帥殿は帰って行きました。


続く


by santalab | 2013-08-25 07:34 | 落窪物語

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