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「平家物語」主上都落(その1)

同じき七月しちぐわつ十四じふし日、肥後ひごかみ貞能さだよし、鎮西の謀反たひらげて、菊池、原田、松浦党まつらたう三千余騎を召し具して上洛しやうらくす。鎮西の謀反をば、わづかに平らげたれども、東国北国のいくさは、いかにもしづまらず。同じき二十二にじふに日の夜半ばかり、六波羅の辺おびたたしう騒動さうどうす。むまくら置き、腹帯はるび締め、物ども東西南北へ運び隠す。ただ今かたきの討ち入つたる様なりけり。




同じ(寿永二年(1183))七月十四日(史実では六月十八日らしい)に、肥後守貞能(平貞能。清盛の部下、家司いへのつかさ=親王・内親王家及び職事三位以上の公卿・将軍家などの家に設置され、家政を掌る職員。だったらしい)が、鎮西([九州])の謀反を平定して、菊池(菊池氏)、原田(原田氏)、松浦党(九州北西部に勢力をもった武士団)三千騎余りを引き連れて都に戻ってきました。鎮西の謀反は、なんとか平定しましたが、東国北国の戦は、さすがに静まっていませんでした。同じ二十二日の夜中頃に、六波羅のあたりはものすごく騒がしくなりました。馬に鞍を置いて、腹帯([馬の背に鞍を付けるために馬の腹に締める帯])を締め、物を東西南北へ運んで隠していました。すぐにでも敵が討ち入るような様子でした。


by santalab | 2013-11-14 15:13 | 平家物語

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