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「平家物語」一二之懸(その8)

ここに平山は、身に代へて思ひける旗差はたさしを討たせて、安からずや思ひけん、じやうの内へ駆け入り、やがてそのかたきが首捕つてぞ出でたりける。熊谷親子も、分捕り数多あまたしてげり。熊谷は先に寄せたれども、木戸を開かねば駆け入らず。平山は後に寄せたれども、木戸を開けたれば駆け入りぬ。さてこそ熊谷平山が、一二の駆けをば争ひけれ。




ここで平山(平山季重すゑしげ)は、身に代えてもと思っていた旗差([戦場で、主人の旗を持って供奉する武士])が討たれたので、腹を立てて、城の中へ駆け入り、すぐに敵の首を捕って出て来ました。熊谷親子(直実なほざね直家なほいへ)も、分捕り([戦場で敵の武器や軍用品、または首などを奪い取ること])数多くしました。熊谷(直実)は先に寄せましたが、木戸が開かず駆け入ることができませんでした。平山(季重)は後に寄せましたが、木戸が開いたので駆け入りました。つまるところ熊谷(直実)平山(季重)が、一二の駆けを争ったということです。


続く


by santalab | 2013-11-18 18:28 | 平家物語

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