21:00にバイトが終わり、電車に乗って駅に着いてバスに乗り換えようとバス停に急げば、タッチの差でバスは動き出して、寒空の中、20分だか待って乗り込んだバスの中であたいは、「途中下車して『餃子の王将』で暖かいものでも食って帰ろう」などと思うのでした。11:00閉店のその店は、いつも結構混んでいて、時々寄ったりもするんですけど、まぁ「値段相応」の味と「値段以上」の満腹感をあたいに与えてくれるのです。
10:00も過ぎて、閉店まであと1時間を切った店の客ぶれは、「おっさん大集合」と表現しても大げさでない、そんな雰囲気ですけれども、その日はちと違ったのです。あたいの隣に決して派手でなくそれでいてどこか目立つ、いわゆるどこか個性的なビジネス・ルックを身に纏った「大人」の女性が座ったのです(たまたま隣が空いてただけのことですけど)。僕は冷えた体に鞭打って「瓶ビール」、そして、あんまり体を責めないでの「チャンポン」なんぞを食ってたりしながら、チロチロ、彼女を窺っていたんですけど。
けれど彼女の注文を聞いて、考えるところがあまりに多くて、あとは己の世界にしばらく沈んでいたんですよ。
彼女「餃子定食」。
あたいは考えたのです。
あたい「この時間に餃子二人前食べて何するつもり?よほど仕事でストレスあったのかな。それとも、この後何か?結婚してるのかな?(なら家で食べるだろうな)。バツイチか?若くして結婚して子どもはもう大きいのかも(中学生くらいか?)。でもそれなら、『王将』で食べて帰らずに『551』の餃子お持ち帰りパターンか?『551』ってもう閉まってたかな?あんまり考えたくないけど、案外、『今からイキますか』の人なのかも?」。そんなこんなで一日が終わってしまうのですけどね。