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「水鏡」神功皇后(その5)

さても浅ましかりし事は、この戦ひの間、昼も夜の如くに暗くて、日数の過ぎしを、皇后大きに怪しみ給ひて、年老いたる者どもに問ひ給ひしかば、「二人を一所に葬りたるゆゑなり」とまうししかばたづねさせ給ふに、「小竹祝しののはふりと亡せにけるを、天野祝あまののはふり泣き悲しびて、『我生きて何にかはせん』とて、かたはらに伏して同じく亡くなりにけるを、一つ塚に籠めてり」と申ししかば、その塚をこぼちて見せさせ給ふに、まことにまうすが如くなりしかば、他々ほかほかに埋ませさせ給ひて後、すなはち日の光あらはれにしなり。十月に臣下たち、皇后を皇太后に上げ奉る。このほどとぞ思え侍る。祗園精舎を天魔焼き侍りにけりと聞き侍りし。




それにしても不思議なことは、この戦いの間、昼も夜のように暗くて、日数を経たので、神功皇后はたいそう怪しんで、年老いた者たちに訊ねると、「二人を同じ場所に葬ったからでございます」と申したのでこれを聞くに、「小竹祝という神官が亡くなりましたが、天野祝が泣き悲しんで、『生きていても仕方ない』と申して、隣りで自害したのですが、二人を同じ塚に埋ました(阿豆那比あづなひの罪)」と申しました、その塚を壊して見ると、話す通りでしたので、別々の場所に埋め直すと、たちまち日の光が顕れました。十月(神功皇后元年(201) か?)に臣下たちは、皇后を皇太后になされました。この頃のことと思われます。祗園精舎を天魔が焼き滅ぼしたと聞いております。


続く


by santalab | 2014-01-30 11:02 | 水鏡

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