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「太平記」後醍醐天皇御治世の事付武家繁昌の事(その6)

この故に朝廷は年々としどしに衰へ、武家は日々に盛んなり。これによりて代々の聖主、遠くは承久じようきう宸襟しんきんを安めんがため、近くは朝議の陵廃を歎き思し召して、東夷を亡ぼさばやと、常に叡慮を廻されしかども、あるひはいきほひ微にして叶はず、あるひは時いまだ到らずして、黙止し給ひけるところに、時政ときまさ九代くだい後胤こういんさきの相摸のかみたひら高時たかとき入道にふだう崇鑒そうかんに至つて、天地命を改むべき危機ここにあらはれたり。




こうして朝廷は年々衰え、武家は日々に権威を増しました。これにより代々の聖主([天皇])は、遠くは承久(承久の乱(1221))の宸襟([天子の心])を安めるため、近くは朝議が荒廃することを嘆いて、東夷(鎌倉幕府)を亡ぼそうと、常に叡慮([天子の考え])を廻されましたが、ある時は勢力わずかにして叶わず、あるいは時いまだ到らずして、静かにしておられました、時政(北条時政)より九代の後胤([子孫])、前相摸守平高時入道崇鑒(北条高時。鎌倉幕府第十四代執権)の代になって、入道にふだう崇鑒そうかんが天地命を覆すような危機が顕れたのでした。


続く
by santalab | 2014-05-22 22:35 | 太平記

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