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「太平記」後醍醐天皇御治世の事付武家繁昌の事(その7)

つらつらいにしへを引いて今を見るに、行跡かうせきはなはだかろくして人のあざけりを不顧、政道不正して民のつひえを思はず、ただ日夜に逸遊いついうを事として、前烈ぜんれつを地下にはづかしめ、朝暮てうぼ奇物きもつもてあそびて、傾廃けいはい生前しやうぜんに致さんとす。ゑい懿公いこうが鶴を乗せし楽しみ早や尽き、しん李斯りしが犬を牽きし恨み今に来たりなんとす。見る人眉をひそめ、聴く人唇をひるがへす。




よくよく古を引いて今を見ると、行跡([人が行ってきた事柄])はなはだ思慮を欠いたもので人の嘲りをかえりみず、政道は不正して民の苦労を考えず、ただ日夜に逸遊([気ままに好きなことをして日を過ごすこと])し、前の乱(承久の乱)の烈士([革命や維新などにおいて戦い功績を残し、犠牲となった人])を辱しめ、朝暮に奇物([珍しい品])を愛でて、傾廃([国が衰え滅びること])は目前にありました。衛の懿公が鶴を乗せて遊んだ楽しみは早くも尽きて(懿公は鶴を好み、鶴を大夫の車に乗せたり鶴に禄位を与えたりしたらしい)、秦の李斯が犬に牽かれて殺された恨みがまさに今訪れようとしていました(李斯は始皇帝の死後、権力争いに敗れて殺害されたらしい)。見る人は眉をひそめ、聴く人唇を翻えして非難しました。


続く
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by santalab | 2014-05-22 22:44 | 太平記 | Comments(0)

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