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「太平記」関所停止の事(その1)

それ四境しきやう七道の関所せきところは、国の大禁を知らしめ、時の非常を戒めんがためなり。しかるに今壟断ろうだんの利に依つて、商売しやうばい往来わうらいつひえ、年貢運送のわづらひありとて、大津おほつ・葛葉の外は、ことごとく所々の新関をめらる。また元亨げんかう元年の夏、大旱たいかん地を枯らして、田服てんぶくの外百里のあひだ、空しく赤土せきどのみあつて、青苗せいべうなし。餓へうに満ちて、飢人地に倒る。この年ぜに三百を以つて、あは一斗を買ふ。




四境([四方の国境])七道([東海道・東山道・北陸道・山陰道・山陽道・南海道・西海道])の関所は、国の大禁([重い禁制])が起きた時にこれを止め、時の非常を防ぐためのものでした。けれども今では壟断([利益や権利を独り占めにすること])のために、商売往来の出費となり、年貢運送にも支障があると、大津(現滋賀県大津市)・葛葉(現大阪府枚方市)の外は、すべて所々の新関を廃止しました。また元亨元年(1321)の夏には、大旱([干ばつ])が地を枯らして、田の外百里の間には、空しく赤土([干ばつなどのために作物の枯死した土地])が広がるばかりで、青苗はありませんでした。行き倒れの者たちは野に満ちて、飢えた人たちは地に伏していました。この年銭三百をもって、粟一斗を買うのがやっとでした。


続く
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by santalab | 2014-05-24 09:13 | 太平記 | Comments(0)

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