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「太平記」師賢登山の事付唐崎浜合戦の事(その4)

さるほどに、六波羅勢すでに戸津とづの宿の辺まで寄せたりと坂本の内騒動さうだうしければ、南岸の円宗院ゑんしゆうゐん中坊なかのばう勝行房しようぎやうばう逸雄はやりを同宿どうしゆくども、取る物も取り敢へず唐崎の浜へ出で合ひげる。その勢皆徒立かちだちにてしかも三百人には過ぎざりけり。海東かいとうこれを見て、「敵は小勢なりけるぞ、後陣ごぢんの勢の重ならぬさきに懸け散らさでは叶ふまじ。続けや者ども」と云ふままに、三尺四寸の太刀を抜いて、よろひの射向けの袖をさしかざし、敵のうず巻いて控へたる真ん中へ懸け入り、敵三人斬り伏せ、波打際なみうちぎはに控へて続く御方をぞ待ちたりける。




そうこうしているうちに、六波羅勢はすでに戸津の宿(現滋賀県大津市下坂本)の辺まで攻めて来たと坂本の内は騒動となって、南岸の円宗院・中坊の勝行房・逸り雄([血気にはやる者])の同宿([同じ寺に住み、同じ師について修行する僧])どもが、取るものも取りあえず唐崎の浜(現滋賀県大津市)へ出て行きました。その勢皆は徒立ちでしかも三百人を越えてはいませんでした。海東(海東左近将監)はこれを見て、「敵は小勢だ、後陣の勢が付く前に駆けちらすぞ。続けや者ども」と言うや、三尺四寸の太刀を抜いて、鎧の射向け([左手])の袖をさしかざし、敵が渦巻いて控える真ん中へ駆け入り、敵三人を斬り伏せ、波打際に控えて続く味方を待ちました。


続く
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by santalab | 2014-05-30 18:50 | 太平記 | Comments(0)

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