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「太平記」師賢登山の事付唐崎浜合戦の事(その10)

佐々木の判官も馬を射させて乗り替へを待つほどに、大敵左右さいうより取り巻いてすでに討たれぬと見へけるを、名をしみ命をかろんずる若党わかたうども、かへし合はせ返し合はせ所々しよしよにて討に死にしけるそのそのあひだに、万死を出でて一生いつしやうに合ひ、白昼はくちうきやうへ引きかへす。この頃までは天下しくしづかにして、いくさと云ふ事は敢へて耳にも触れざりしに、にはかなる不思議出で来ぬれば、人皆あはて騒いで、天地もただ今打ち返すやうに、沙汰せぬところもなかりけり。




佐々木判官(佐々木道誉だうよ)も馬を射られて乗り替えを待っていました、大敵が左右から取り巻いてすでに討たれようとしていましたが、名を惜しみ命を軽んじる若党([若い侍])たちが、返し合わせ返し合わせ所々で討たれるその間に、万死を遁れ一生を得て、白昼に京へ引き帰しました。この頃までは天下しく静かで、戦という言葉さえ耳にすることもありませんでしたが、突然不思議が顕われて、人は皆あわて騒いで、天地は今にもひっくり返るのではないかと、噂しない者はいませんでした。


続く
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by santalab | 2014-06-08 22:02 | 太平記 | Comments(0)

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