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「太平記」赤坂城軍の事(その6)

かかりけれども城のうちよりは、矢の一筋をも不射出さらに人ありとも見へざりければ、寄せ手いよいよ気に乗つて、四方しはうの屏に手を懸け、同時に上り越えんとしけるところを、本より屏を二重ふたへに塗つて、外の屏をば切つて落とすやうこしらへたりければ、城のうちより、四方しはうの屏の鈎縄つりなはを一度に切つて落としたりける間、屏に取り付きたる寄せ手千余人、押しに被打たるやうにて、目ばかり働くところを、大木・大石たいせきを投げ懸け投げ懸け打ちける間、寄せ手また今日けふいくさにも七百余人被討けり。東国の勢ども、両日りやうじつの合戦に手ごりをして、今は城を攻めんとする者一人いちにんもなし。ただその近辺に陣々を取つて、遠攻とほぜめにこそしたりけれ。




けれども城の中からは、矢の一筋を射る者ありとも思えませんでした、寄せ手ますます勢い付いて、四方の屏に手をかけ、同時に上り越えようとするところを、本より屏を二重に立てて、外の屏は切って落とすように作ってあったので、城の中より、四方の屏の鈎縄([先端にかぎをつけた縄])を一度に切って落としたので、屏に取り付いていた寄せ手千余人は、壁に圧されて、目ばかり働くところを、大木・大石を投げ懸け投げ懸けぶつけました、寄せ手また今日の戦で七百余人討たれました。東国の勢どもは、両日の合戦に懲りて、今は城を攻めようとする者は一人もいませんでした。ただその近辺に陣々を取って、遠攻めするばかりでした。


続く
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by santalab | 2014-06-08 08:44 | 太平記 | Comments(0)

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