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「曽我物語」臣下ちやうしが事(その5)

彼らも、さる者の子にてさうらへば、御恩を忘れ奉るべきにあらず。つひには、御用にこそ立ちまうさうらはんずれ」。君聞こし召し、「それも、臣下尊きにあらず。ちやうしがけんに依つてなり」「さらば、それがしをちやうしと思し召し、彼らを臣下になずらへて、御助け候はば、後の御先途にもや、立ち候ひなん。君君たる時は、臣礼を以つてし、臣臣たる時は、君あはれみを残すとこそ、見えて候へ」。頼朝、「彼ら、何の礼かありし」。




彼ら(一萬・筥王)も、武士(河津かはづ祐重すけしげ)の子でありますれば、ご恩を忘れることはよもやありません。遂には、ご用に立つことでぎざいましょう」。君(源頼朝)はこれを聞いて、「その話にしても、臣下がえらかった訳ではなかろう。ちょうしが賢人であったからではないか」「ならば、このわたし(畠山重忠しげただ)をちょうしと思われて、彼らを臣下と思いになってください、お助けいただけましたら、必ずや後のお役に、立ちましょう。君が君であれば、臣は礼を尽くし、臣が臣である時は、君は情けをかけられると、物に書かれております」。頼朝は、「彼らが、感謝することなどあろうか」と訊ねました。


続く


by santalab | 2014-07-22 08:28 | 曽我物語

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