Santa Lab's Blog


「増鏡」叢時雨(その10)

はしひんがしに、二条のさきの関白殿道平みちひら堀川ほりかはの大納言具親ともちか・春宮の大夫公宗きんむね・侍従中納言公明きんあきら御子左みこひだり中納言為定ためさだ・中宮権大夫公泰きんやすなどさぶらはる。右大臣おとど兼季かねすゑ琵琶、春宮の権大夫冬信ふゆのぶ笛、源中納言具行ともゆきしやう、治部卿篳篥ひちりき、琴は室町の宰相公春きんはる、琵琶はその宰相さいしやう基成もとなりなど聞こえしにや。「その日のこと見給へねば、定かにはなし。をさな童部わらはべなどの、しどけなく、語りしままなり。この内に御覧じたる人もおはすらむ。うけたまはらまほしくこそ侍れ」と言ふ。御簾みすの内にも、大納言二位殿琵琶、播磨の内侍こと女蔵人によくらうど高砂と言ふも、琴弾くとぞ聞こえし。まことにやありけむ。




階の東には、二条の前の関白殿道平(二条道平)・堀川大納言具親(堀川具親)・春宮大夫公宗(西園寺公宗)・侍従中納言公明(西園寺公明)・御子左([御子左家]=[藤原道長の六男長家ながいへを祖とする藤原氏の流])中納言為定(二条為定)・中宮権大夫公泰(洞院公泰)などがおられました。右大臣兼季(今出川兼季)が琵琶、春宮権大夫冬信(大炊御門冬信)が笛、源中納言具行(北畠具行)が笙、治部卿(平成輔なりすけ)が篳篥、琴は室町宰相公春(室町公春)、琵琶は園宰相基成(園基成)などと聞こえました。「その日のことを見ておりませんので、確かなことは知りません。幼い童部が、このわたしに、話してくれたままに申しました。この中にご覧になられたお方もおられましょう。お話をお聞きしたいものでございます」とかの尼は申されました。御簾の内でも、大納言二位殿が琵琶、播磨内侍(三善衡子。第九十二代伏見天皇の後宮)が箏(箏の琴)、女蔵人([下臈の女房])の高砂という者も、琴を弾いたと聞きましたが。本当でしょうか。


続く


[PR]
by santalab | 2014-09-14 09:39 | 増鏡 | Comments(0)

<< 「増鏡」叢時雨(その9)      「増鏡」おどろのした(その11) >>

Santa Lab's Blog
by santalab
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
最新のコメント
こんにちは。今日はSan..
by 佐藤綾乃 at 18:44
返歌 草枕…に因んで短歌..
by 井上勇 at 23:54
ただおし出づるままに の..
by SiNa at 21:40
「義経記」の御紹介記事を..
by Magohati38 at 02:04
すばらしいサイト おかげ..
by johsei1129 at 23:54
青き花咲く大地 気高き..
by 北朝鮮の水爆に十神山も激怒 at 02:50
全然現代語訳できてない
by あ at 02:04
 その島根県(旧出雲国東..
by 民俗学者 at 23:34
うーん、松島からまた仙台..
by 五十嵐洋(秋田県大館市) at 00:51
「下野の室の八嶋にて待て..
by 八島 守 at 12:03
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧