人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Santa Lab's Blog


「曽我物語」五朗が情け懸けし女出家の事(その2)

まことや、「天人のいんせざるところは、禍ひありて、しかも禍なし」と、東方朔とうばうさくが言葉、思ひ知られて、しかるべき善知識ぜんぢしきたづね、生年しやうねん十六歳さいまうすに出家して、諸国を修行しゆぎやうして、後には、大磯おほいその虎が住みかを尋ね、道心にぎやうして、いづれも八十余にして、往生わうじやう素懐そくわいを遂げにけり。あり難かりし心ざしとぞ聞きし。




まこと、「天人が婬せざるは、禍の元となるが、災いではない」との、東方朔(前漢の文学者)の言葉が、思い知られて、しかるべき善知識([仏教の正しい道理を教え、利益を与えて導いてくれる人])を尋ね、生年十六歳と申すに出家して、諸国を修行し、後には、大磯の虎御前の住みかを訪ね、道心に任せ行して、いずれも八十余にして、往生の素懐を遂げました。ありがたい心ざしだと聞いています。


続く


by santalab | 2015-06-18 12:27 | 曽我物語

<< 「曽我物語」五朗が情け懸けし女...      「曽我物語」五朗が情け懸けし女... >>

Santa Lab's Blog
by santalab
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧