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その時、心さらに答ふることなし。ただ、傍かたはらに舌根ぜっこんを雇ひて、不請の阿弥陀仏、両三遍申して止みぬ。
けれども、わたしにはそれに答えることはできません。ただ、口ばかり動かして、不請([請い望まれなくても救いの手をさしのべる こと。菩薩の慈悲救済をいう])の阿弥陀仏の名号を、三遍唱えるばかりです。
(続く)
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