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「曽我物語」富士野の狩場への事(その8)

斯かるところに、うへの茂みより、鹿一かしら出で来たり、梶原かぢはら源太げんだ控へたる弓手ゆんでを取つてぞ下りける。景季かげすゑさいはひにやと喜びて、鹿矢ししやを打ち番ひ、よつ引いて放つ。落つ様、すぢ違ひに首を掛けずつつとぞ射抜きたる。されども、鹿は物ともせず、思ふ茂みに飛び下り、二の矢を取つて番ひ、鞭打ち下すところに、伏木にむまを乗り掛けて、足並み乱るるところに、下り立ちて馬引つ立つ。




そうこうするところに、上の茂みより、鹿が一頭出て来ました、梶原源太(梶原景季)は弓を構えて山を下りました。景季は、しめたとよろこんで、鹿矢([狩猟用の矢])を番い、弓を引いて矢を放ちました。鹿の背後から、筋違い([ある物に対して斜めの方向に位置すること])に首を掛け射抜きました。けれども、鹿は物ともせず、茂みに飛び下りました、景季は二の矢を取って番い、鞭を打ち追いましたが、伏木に馬を乗り上げて、足並みが乱れたので、下りて馬を引き立てました。


続く


by santalab | 2015-09-26 08:37 | 曽我物語

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