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「太平記」将軍薨逝の事(その3)

去るほどに今年はいかなる年なれば、京都と鎌倉と相同じく、柳営りうえい連枝れんしたちまちに同根空しく枯れ給ひぬれば、誰か武将に備はり、四海しかいの乱をも可治と、あやふき中にうれへありて、世上今はさてとぞ見へたりける。




思えば今年(貞治ぢやうぢ六年(1367))はどんな年であったのでしょうか、京都(足利義詮よしあきら)と鎌倉(足利基氏もとうぢ。義詮の弟)は年を同じくして、柳営([幕府])の連枝([貴人の兄弟姉妹])がたちまちに同根([兄弟])ともに空しく薨逝こうせい([薨去]=[皇族または三位以上の貴人の死去すること])したので、誰が武将の器を備え、四海([全国])の乱を治めることができるのだろうと、心配の中で悲しみに満ちて、世の中はどうなることかと思われました。


続く


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by santalab | 2015-10-29 13:13 | 太平記 | Comments(0)

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