Santa Lab's Blog


「太平記」新田義貞謀反の事付天狗催越後勢事(その2)

相摸入道にふだうおほきに忿いかつてのたまひけるは、「当家執世すでに九代、海内かいだいことごとくその命に不随と云ふ事更になし。しかるに近代遠境ゑんきやうややもすれば武命に不随、近国常に下知げぢかろんずる事奇きくわいなり。あまつさ藩屏はんぺいうちにして、使節を誅戮ちゆうりくする条、罪科ざいくわ非軽に。この時もし緩々くわんくわんの沙汰を致さば、大逆のもとゐと成りぬべし」とて、すなはち武蔵・上野両国の勢におほせて、「新田太郎義貞よしさだ・舎弟脇屋次郎義助よしすけを討つて可進す」とぞ被下知ける。




相摸入道(北条高時たかとき。鎌倉幕府第十四代執権)はこれを聞いて、たいそう怒って申すには、「当家が世を執ってすでに九代、海内([国内])残らず命に従わずということなし。だが近頃では遠境の者どもはややもすれば武命に従わず、近国の者どもも下知([命])を軽んじるようになったが怪しからぬことよ。こともあろうか藩屏([直轄の領地])の内で、使節を誅戮するとは、罪科は軽いものではない。もしこれに情けある沙汰をすれば、大逆の種ともなるであろう」と申して、たちまち武蔵・上野両国の勢に命じて、「新田太郎義貞(新田義貞)・舎弟脇屋次郎義助(脇屋義助。新田義貞の弟)を討って参らせよ」と命じました。


続く


[PR]
by santalab | 2015-11-19 19:45 | 太平記 | Comments(0)

<< 「太平記」新田義貞謀反の事付天...      「曽我物語」富士野の狩場への事... >>

Santa Lab's Blog
by santalab
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
カテゴリ
以前の記事
フォロー中のブログ
最新のコメント
返歌 草枕…に因んで短歌..
by 井上勇 at 23:54
ただおし出づるままに の..
by SiNa at 21:40
「義経記」の御紹介記事を..
by Magohati38 at 02:04
すばらしいサイト おかげ..
by johsei1129 at 23:54
青き花咲く大地 気高き..
by 北朝鮮の水爆に十神山も激怒 at 02:50
全然現代語訳できてない
by あ at 02:04
 その島根県(旧出雲国東..
by 民俗学者 at 23:34
うーん、松島からまた仙台..
by 五十嵐洋(秋田県大館市) at 00:51
「下野の室の八嶋にて待て..
by 八島 守 at 12:03
ひょんな事から、このブロ..
by yoshy at 18:50
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧