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「太平記」三宅・荻野謀反の付壬生地蔵の事(その6)

これをいましめ奉りぬる者ども三人、発露涕泣はつろていきふして、罪障ざいしやう懺悔さんげするになを不堪、忽ちにもとどり切つて入道し、発心修行ほつしんしゆぎやうの身と成りにけり。かれは依順縁今生こんじやうに助命、これは依逆縁来生らいしやうの得値遇事まことに如来附属の金言不相違、今世後世こんぜごせよく引導いんだうす、頼もしかりける悲願なり。




これを誡めた者ども三人は、発露([心の中にあるものや隠していたことが おもてに現れ出ること])涕泣([涙を流して泣くこと])して、罪障を懺悔擦るのみならず、たちまちに髻を切って入道し、発心([菩提=仏陀の悟り。を得ようと決意すること])修行の身となりました。かれ(香勾かうわ高遠たかとほ)は順縁([仏の教えに素直に遵い結ぶこと])によって今生の命を助かり、これらの者どもは逆縁([悪行がかえって仏道に入る機縁となること])により来生の値遇([仏縁あるものにめぐりあうこと])を得たことはまこと如来が附属([師が弟子に仏教を伝え、その布教を託すること])せし金言に違わず、今世後世よ遍く引導([人々を導いて仏の道に入れること])するものでした、まこと頼もしい悲願でした。


続く


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by santalab | 2015-12-03 07:38 | 太平記 | Comments(0)

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