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「太平記」金剛山寄手ら被誅事付佐介貞俊事(その5)

佐介左京さきやうすけ貞俊さだとしは、平氏の門葉もんえふたる上武略才能ともに兼ねたりしかば、定めて一方の大将をもと身を高く思ひけるところに、相摸入道にふだうさまでの賞翫しやうぐわんもなかりければ、恨みを含みいきどほりを抱きながら、金剛山こんがうせんの寄せ手の中にぞありける。斯かるところに千種の頭の中将ちゆうじやう綸旨をまうし与へて、御方に可参由を被仰ければ、去んぬる五月の初めに千葉屋ちはやより降参して、京都にぞ歴回へめぐりける。




佐介左京亮貞俊(北条貞俊)は、平氏の門葉([子孫])である上武略才能ともに兼ね備えていたので、きっと一方の大将をもと身を高く思っていましたが、相摸入道(鎌倉幕府第十四代執権、北条高時たかとき)はそれほどまで重用することもなく、恨みを含み怒りを抱きながら、金剛山の寄せ手に加わりました。そうこうするところに千種頭中将(千種忠顕ただあき)が綸旨([蔵人が天皇の意を受けて発給する命令文書])を与えて、味方に参るよう申したので、去る五月の初めに千葉屋(千早。現大阪府南河内郡)で降参して、京都に戻っていました。


続く


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by santalab | 2016-03-19 10:02 | 太平記 | Comments(0)

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