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「太平記」菊池合戦事(その7)

敵陣騒ぎ乱れて、夜すでに明けければ、一番に菊池二郎、くだん起請きしやうの旗を進めて、千余騎にて懸け入る。小弐せうにが嫡子太宰の新小弐忠資ただすけ五十ごじふ余騎にて戦ひけるが、父が起請や子に負ひけん。忠資忽ちに打ち負けて、引つかへし引つ返し戦ひけるが、敵に組まれて討たれにけり。これを見て朝井あさゐ但馬たぢま将監しやうげん胤信たねのぶ・筑後の新左衛門しんざゑもんくぼの能登のかみ・肥前の刑部ぎやうぶの大輔、百余騎にて取つて返し、近付く敵に引つ組み引つ組み差し違へて死にければ、菊池孫次郎武明たけあきら・同じき越後ゑちごの守・賀屋かや兵部ひやうぶの大輔・見参岡みさをか三川みかはの守・しやう美作みまさかの守・宇都宮刑部のじよう国分こくぶん次郎以下宗との兵八十三人、一所にて皆討たれにけり。小弐が一陣の勢は、大将の新小弐討たれて引き退きければ、菊池が前陣の兵、汗馬を伏せて控へたり。




敵陣は騒ぎ乱れて、夜がすでに明ければ、一番に菊池次郎(菊池武重たけしげ。菊池武光たけみつの兄)は、件の起請の旗を進めて、千余騎で駆け入りました。小弐(少弐頼尚よりひさ)の嫡子太宰新小弐忠資(少弐忠資)は、五十余騎で戦いました、父の起請を子が負ったか、忠資はたちまちに打ち負けて、引き返し引き返し戦いましたが、敵に組まれて討たれました。これを見て朝井但馬将監胤信・筑後新左衛門・窪能登守・肥前刑部大輔が、百余騎で取って返し、近付く敵に引っ組み引っ組み刺し違えて死んだので、菊池孫次郎武明・同じく越後守・賀屋兵部大輔・見参岡三河守・庄美作守・宇都宮刑部丞・国分次郎以下主な兵八十三人は、一所で皆討たれました。小弐の一陣の勢は、大将の新小弐が討たれて引き退いたので、菊池の前陣の兵は、汗馬を下げて控えました。


続く


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by santalab | 2016-05-12 08:32 | 太平記 | Comments(0)

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