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「太平記」身子声聞一角仙人志賀寺上人事(その6)

また我がてうには志賀寺の上人とて、行学勲修ぎやうがくくんしゆの聖才をはしけり。速やかにかの三界の火宅くわたくを出でて、永く九品くほん浄刹じやうせつに生まれんと願ひしかば、富貴ふつきの人を見ても、夢中の快楽けらくと笑ひ、容色のたへなるに合つても、迷ひの前の著相ちやくさうあはれむ。雲を隣りの柴のいほ、しばしばかりと住むほどに、手づからゑし庭の松も、秋風高く成りにけり。




また我が朝には志賀寺(かつて現滋賀県大津市にあった崇福寺)の上人と申して、行学勲修([勲修]=[りっぱに修了すること])の聖才がいました。すみやかに三界の火宅([苦悩の絶えない人間界])を遁れて、永く九品の浄刹([九品浄土]=[極楽浄土])に生まれんと願っていたので、富貴の人を見ても、夢中の快楽と笑い、姿かたち美しい人に会っても、迷いの前の著相([ものごとに執着している状態])を哀れみました。雲を隣りの柴の庵([粗末な家])に、一時のことと住んでいるうちに、自然に生えた庭の松も、大きくなって秋風に吹かれるようになりました。


続く


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by santalab | 2017-01-08 09:08 | 太平記 | Comments(0)

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