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「太平記」自伊勢進宝剣事黄粱夢事(その7)

かくて四神ししんを生み給ふ。日の神・月の神・蛭子ひるこ素盞烏尊そさのをのみことこれなり。日の神と申すは天照太神あまてらすおほんがみ、これ日天子につてんし垂跡すゐしやく、月の神と申すは、月読つきよみ明神みやうじんなり。この御形余りに美しくおはしまし、人間のたぐひにあらざりしかば、二親にしんの御計らひにて天に上せ奉る。蛭子と申すは、今の西宮の大明神だいみやうじんにてまします。生まれ給ひし後、三年まで御足立たずして、片輪かたはにおはせしかば、石楠いはくす船に乗せて海に放ち奉る。

かぞいろは いかにあはれと 思ふらん 三年になりぬ 足立たずして

と読める歌これなり。




そして四神が生まれました。日の神(天照=天照大御神あまてらすおほみかみ)・月の神(月読=月読命つくよみ)・蛭子(蛭子命)・素盞烏尊(素戔男尊)です。日の神と申すのは天照大神、天照大御神は日天子([仏教における天部の一人で、十二天の一人])の垂跡([仏や菩薩が衆生を仏道に引入れるために、かりに神々の姿となって示現すること])でございます、月の神と申すのは、月読明神のことでございます。月読明神の姿はあまりに美しく、人間の姿をしておりませんでしたので、二親の計らいで天に上らせました。蛭子と申すのは、今の西宮大明神(現兵庫県西宮市にある西宮神社の祭神)でございます。生まれて、三年まで足が立たず、片端でしたので、石楠船(鳥之石楠船神。日本神話に登場する神であり、また、神が乗る船の名前)に乗せて海に放ちました。

父母かぞいろはどれほど哀れに思ったことでしょう。足が立たないまま三年になりました。

と読んだ歌でございます。


続く


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by santalab | 2017-01-31 19:06 | 太平記 | Comments(0)

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