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「太平記」自伊勢進宝剣事黄粱夢事(その15)

次の日より兼員かねかずこの剣を平野の社の神殿に安じ、十二人じふににんの社僧に真読しんどく大般若経だいはんにやきやうを読ませ、三十六人の神子みこに、長時ぢやうじ御神楽みかぐらを奉らしむるに、殷々いんいんたる梵音ぼんおんは、本地三身ほんぢさんしん高聴かうちやうにも達し、玲々れいれいたる鈴の声は垂迹五能すゐしやくごのう応化おうくわをも助くらんとぞ聞こへける。その外金銀弊帛へいはくてん蘋蘩蘊藻ひんはんうんさうの礼、しんその神たらば、などか奇瑞きずゐもここに現ぜざらんと思ゆるほどにぞ祈りける。




次の日より兼員(卜部兼員)はこの剣を平野社(現京都市北区にある平野神社)の神殿に安置し、十二人の社僧に真読([経文を省略しないで全部読み通すこと])の大般若経([唐代の玄奘三蔵が大乗仏教の基礎的教義が書かれている長短様々な「般若経典」を集大成した経典。六百巻])を読ませ、三十六人の巫女に、長時([常時])御神楽を奉納させました、殷々([大きな音が鳴り響く様])とした梵音([読経の声])は、本地三身([大乗仏教における、仏の三種類の身のあり方。法身・報身・応身])の高聴([他人を敬って、その人が聞くこと])にも達し、玲々([玉などがふれてすがすがしく鳴り渡る様])とした鈴の声は垂迹五能の応化([仏や菩薩が衆生を救うために、時機に応じた姿となって現れること])をも助けると思われました。そのほか金銀弊帛の奠([神仏に物を供えて祭ること])、蘋蘩([粗末な供え物])蘊藻([水草])の礼、神が神ならば、どうして奇瑞をここに現わさぬであろうと思えるほど祈りました。


続く


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by santalab | 2017-02-03 07:00 | 太平記 | Comments(0)

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