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「太平記」北野通夜物語の事付青砥左衛門事(その30)

やがてこの后の御腹に一人の皇子出で来させ給ふ。これを瑠璃太子とぞ申しける。七歳に成らせ給ひける年、浄飯王じやうぼんわうじやうへおはして遊ばれけるが、浄飯王の同じ床にぞ坐し給ひたりける。釈氏の諸王大臣これを見て、『瑠璃太子はこれまことの御孫には非ず、何故なにゆゑにか大王と同位どうゐに座し給ふべき』とて、すなはち玉の床の上より追ひ下ろし奉る。瑠璃太子をさなき心にも不安事に思し召しければ、『我が年ちやうぜば必ず釈氏を滅ぼしてこの恥を可濯』と深く悪念をぞ被起ける。




やがてこの后の腹に一人の皇子が生まれたんじゃ。これを瑠璃太子(コーサラ国太子。ヴィドゥーダバ)と申した。七歳になった年、浄飯王(迦毘羅衛カビラエ国の王。釈迦の父)の城に来て遊んでおったが、浄飯王と同じ床に座ったんじゃ。釈氏(釈迦族)の諸王大臣はこれを見て、『瑠璃太子はまことのお孫ではない、どうして大王と同位に座しておるのだ』と申して、たちまち玉の床の上より追い下ろしたんじゃよ。瑠璃太子は幼いこころにも腹を立てて、『わたしが大人になれば必ずや釈氏を滅ぼしてこの恥を雪いでやるぞ』と深い悪念を抱いたんじゃ。


続く


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by santalab | 2017-03-03 08:06 | 太平記 | Comments(0)

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