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「太平記」北野通夜物語の事付青砥左衛門事(その31)

さて二十にじふ余年をて後、瑠璃太子ひととなり浄飯王じやうぼんわうは崩御成りしかば、瑠璃太子三百万騎の勢を率して摩竭陀国まかだこくじやうへ寄せ給ふ。摩竭陀国は大国たりといへども、にはかの事なれば未だ国々より馳せ参らで、王宮已に被攻落べく見へける処に、釈氏の刹利種せつりしゆ強弓つよゆみども数百人すひやくにんあつて、十町じつちよう二十町にじつちようを射越しける間、寄せ手かつて不近付得、山に上り河を隔てていたづらに日をぞ送りける。




二十余年を経て後、瑠璃太子(コーサラ国太子。ヴィドゥーダバ)は大人になり浄飯王(迦毘羅衛カビラエ国の王。釈迦の父)は崩御されたので、瑠璃太子は三百万騎の勢を率して摩竭陀国(マガダ国。古代インドにおける十六大国の一)の城へ寄せたんじゃ。摩竭陀国は大国じゃったが、急なことだったんで国々から兵は馳せ参らず、王宮はすでに攻め落とされると思えるところに、釈氏(釈迦族)の刹利種([刹利]=[古代インド四姓制度の第二階級。婆羅門に つぐもので、王侯・貴族・武士の階級])どもが数百人おったので、十町(当時の100m?)二十町を射たので、寄せ手は近付くことができずに、山に上り川を隔てていたずらに日を送ったんじゃよ。


続く


by santalab | 2017-03-04 07:45 | 太平記

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