彼女が卒業してから後の一年の間、僕はどうしてあの場所に居続けたのだろうか。同級たちが卒業するまでの残りの一年、そしてやっとのことで放校を免れた二年生の僕が、彼女のいない暗闇の中でわずかな希望を頼りにしがみついていた。
一瞬にして目の前の景色が何もかも変わってしまったことに、ただただとまどい立ち止まるほか手立てはなかったからなのか。その日を境にまるで昨日とは違う日の始まりが訪れようが、僕は何も変わっていないのだと思いながら。何が天から降って来るわけでもなく、けれども「宝くじ」のその番号が知らされるまでの間は。
あれから幾年経ったかな。この世に生を受けてあの歳を二度生きてすでに三度目も目の前か。あのLast One Yearを決して惜しくはないと強がっていた、思いも何もかもすべてはるか昔の思い出となって、まるで水の如く薄れ流れ失せてしまったけれども。