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「曽我物語」平六兵衛が喧嘩の事(その1)

ここに、十郎じふらうが身に当てて、思はざる不思議こそ出で来けれ。ゆゑを如何にとたづぬるに、三浦平六兵衛へいろくびやうゑ妻女さいぢよは、合沢あひざは土肥とひ弥太郎やたらうが娘なり。この人々とは従姉妹なり。幼少えうせうより、叔母にやうぜられて、伊東にありけるほどに、十郎と一所に育ちけり。やうやう成人するほどに、十郎、かれに忍びて、情けを懸けたりける。互ひの心ざし深ければ、いへにも取り据ゑ、まことの妻にも定むべかりしを、仇を討たんと思ひけるあひだいへを忘れて、ただをんなの許へぞ通ひける。




ここに、十郎(曽我祐成すけなり)の身に、思いもしなかった不思議な出来事がありました。どういうことかというと、三浦平六兵衛(三浦義村よしむら)の妻女は、合沢土肥弥太郎(土肥遠平とほひら)の娘でした。曽我兄弟(祐成・時致ときむね)の従姉妹でした。幼い頃より、叔母に養なわれて、伊東(現静岡県伊東市)にいましたので、十郎(祐成)とともに育ちました。成人すると、十郎(祐成)は、義村に忍んで、情けをかけるようになりました。互いの心ざしは深く、家に置いて、妻にもするほどでしたが、仇(工藤祐時すけとき)を討とうと思っていたので、家には寄り付かず、ただ女の許へ通っていました。


続く


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by santalab | 2014-06-30 17:52 | 曽我物語 | Comments(0)


明日に向かって走れ(あなたはいったい誰?)

久しぶりに「夢」を見ました。年を取るにつれめっきり見なくなったのか、それとも起きる頃にはすっかり忘れているのか、その両方に違いなく、今日見た夢もただおぼろげに「見た」ことを覚えているだけのことやもしれません。


きっと大したことではなかったように思います。ただずっと昔の友らしき男ともう一人、これもそんな類だと思われましたが、どちらも誰とも定かではなく。とにかくも何やら「姫様がいなくなった」とかや、ならば「三銃士」ごっこのつもりで、「姫様探し」。そんなお話(だったっけ?)。


ということであっちフラフラこっちフラフラする間もなくて、たちまちにして「宇治の大君・中の君」ならぬ二人の姫君を見付け出して、ならばあたいの「浮舟」はいづこに。源氏物語通り後から現れた「浮舟」も無事見つかってめでたしめでたしなんですけど、あの「浮舟」って誰だったんでしょう。どこかで見たような、見なかったような。


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by santalab | 2014-06-30 15:48 | 独り言 | Comments(0)


明日に向かって走れ(いつかは野の花に)

挫折と棚ぼた、いずれにせよ己の力というよりは偶然の産物、けれどもそんなことに一喜一憂しながら世の中に翻弄、いやいや、もともと根なし草なれば所詮、洗濯機の中でグルグル捻れながら回るばかりのことであっただけのこと、「井の中の蛙大海を知らず」どころの話でもなく、狭い洗濯槽の中でいつまでも消えることのない汚れに身を染めて、永遠にのたうち回る「洗濯物」。本人は「わたしキレイ」なんてうそぶいていたけれど。結局のところ、いつかは「真っ白」になると信じていたから、何回も何十回何百回回されても「アタイ平気だからね」なんて思っていたのです、縫い糸切れて衣破れたら洗うの止めて捨てられることに気付かなかった。それどころか「汚れ」こそアタイの勲章なんだと、汚れればそれだけ綺麗になれると思っていたのかも。すべてが「無駄」に思えた時、すべてを放棄するのもまるで「無責任」とは思っていなかったし。


だから、いなくなるとは思ってないんです。洗濯機の中でクルクル回っていると思ってるから。でも、世の中は洗濯機よりはまるで広くて。そんな中で生きて行けるとはとても思えず、それでも腹は減るわけで。「お天気」の日ならたとえ洗濯ばさみに閉じられようが「お外に出たい」。歩けば靴に穴は空くもの、ならば「春の風」に吹かれながらヒラヒラしてる方が気分いいかも。隣りにあなたが干されていないことが悲しいけれど、きっと、次の洗濯で、などと。確かに彼女は特等席にいたんでしょう、アタイは場末に。洗濯毎にあなたに逢えると思って必死に汚れたけれど、大切なあなたは大切にしまわれて、クタクタになるまで働いたアタイは、いつの間にかゴミ箱へ。


たまたま逢っただけのこと。


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by santalab | 2014-06-30 15:46 | 独り言 | Comments(0)


明日に向かって走れ(メビウスの輪)

やはり平安時代ってなんともいい時代だと思うんです。疫病あり飢饉ありで「平民」以下の暮らしは生きて「奇跡」ほどの暮らしだったやもしれません。それに比べりゃ、って今の時代も程度こそあれ対して変わらないんじゃないの、なまじ生かされてるような気がすることもあったりして。ひねくれすぎですかね。


争いの時代になって、殺伐とした中に「宗教」は生まれるものだと。今の時代そっくりじゃないですか。ただ違うのはそれが向かう先のような気もします。「法然さん」の仏教は今でも貧乏人の宗教で、「親鸞さん」の仏教は平民の仏教。「空海さん」の仏教は今の時代には厳しすぎるのか、その反動がいづこにか。わたしゃ「道元さん」ですけど。法名一字「何百万」って世もあるとか。


いろんな寺に参りましたけど、一番親切にしていただいたのは正直言って「法然さん」とこです(平均点と考えてください。結局のところ「人」の問題ですから)。「貧乏」なところがすてきです(ごめんなさい)。キラキラしたお釈迦様を念じて、幸せになれるとは思わないんですよ、眠る時間を犠牲にして「念仏」唱えて幸せとも思いません。できる範囲でいいんじゃないですかね、誰しもがそれほどに「偉人」ではありませんから。


食うや食わずの「人々」が、朝夕勤行していたとはとても思えず、食うに困らない者だけが「理想」とのギャップに己を苦しめて、でもそれは「仏教」ではないと思っています。なけなしの金で飯食って、たまたま「残業」か何か、ポケットに残った五十円玉でろうそく一本灯すのが「仏教」なんだと思ったりするんですけど。


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by santalab | 2014-06-30 15:44 | 独り言 | Comments(0)


「曽我物語」祐信、兄弟連れて、鎌倉へ行きし事(その6)

子ども聞き、「祖父子おほぢごの御事に依り、我らをさなけれども、許されず、斬られん事、力に及ばず。さりながら、殿の御恩こそ、あり難く思ひ奉りさうらへ。御遁世とんせい努々ゆめゆめあるまじき事なり。母御ははごの御思ひ、いよいよ重かるべし。それを慰めて賜はり候へ。それならでは」とばかりにて、泣くより外の事ぞなき。景季かげすゑ妻女さいぢよも、女房にようばうたち引き連れ、中門に出で、物越しに彼らが言葉を立ち聞きて、「げにや、しかる者の子どもとは聞こえたり。いうに大人しやかに言ひつる言葉かな。余所にて聞くだにも、あはれに無慙なるに、如何に今まで取り育てぬる母や乳母の思ふらん。片輪かたはなる子をさへ、親は悲しむ習ひぞかし。弓取りの子の七つにて、親の仇を打ちけるとまうし伝へたる事も、彼らが大人しやかなるにて思ひ知られたり。弓取りの子なり」とて、涙に咽びければ、及ぶも及ばざるも、皆袂をぞ絞りける。




子どもたち(一萬・筥王)はこれを聞いて、「祖父子(伊東祐親すけちかの孫)であるが故、わたしたちは幼いながらも、許されず、斬られることは、仕方ありません。けれども、殿(曽我祐信すけのぶ)のご恩を、忘れることはありません。遁世など、なさることはありません。母の悲しみは、ますます深いものとなりましょう。どうか思い直されますよう。お願いいたします」とばかり言って、泣くよりほかありませんでした。景季(梶原景季)の妻も、女房たちとともに、中門に出て、物越しに彼らの言葉を立ち聞いて、「なるほど、しかる者の子どもとは聞いておりましたが。りっぱに大人びて申すものです。余所で聞くだけでも、悲しくて哀れに思いますが、今まで育てた母や乳母はどれほど悲しく思っていることか。たとえ不具の子でさえも、親は悲しむものです。弓取りの子が七つで、親の仇を打ったと聞いたことがありますが、彼らの大人びた言葉を聞いてなるほどと思いました。さすが弓取りの子です」と言って、涙に咽んだので、心ある者及ばぬ者も、皆袂を絞りました。


続く


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by santalab | 2014-06-30 09:02 | 曽我物語 | Comments(0)


「源氏物語」幻(その49)

年暮れぬと思すも、心細きに、若宮の、「遣らはむに、音高かるべきこと、何わざをせさせむ」と、走りありき給ふも、「をかしき御有様を見ざらむこと」と、よろづに忍び難し。

「もの思ふと 過ぐる月日も 知らぬまに 年も我が世も 今日や尽きぬる」

一日のほどのこと、「常より殊なるべく」と、置きてさせ給ふ。親王たち、大臣の御引出物、品々の禄どもなど、何となう思しまうけて、とぞ。




六条院【光源氏】は今年も暮れてしまったかと思って、心細くなりましたが、若宮【匂宮】が、「儺([追儺ついな]=[大みそかの夜に行われる朝廷の年中行事の一。鬼に扮した舎人を殿上人らが桃の弓、葦の矢、桃の杖で追いかけて逃走させる行事])で鬼を追い払うのに、大きな音を立てるのに、どうすればよいだろう」と、走り回っているのを見るにつけ、「もうこのような姿を見ることもできなくなるな」と、何につけ寂しさをこらえきれませんでした。

「悲しみに、過ぎて行く月日も、分からないままに、今年もそして我が命も、今日で尽きてしまうのだろうか。」

元日の行事を、「いつもより格別に」と、言い置いて準備させました。六条院【光源氏】は親王たち、大臣への引出物、品々の禄([贈り物])などを、それぞれに用意した、ということでした。


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by santalab | 2014-06-27 20:51 | 源氏物語 | Comments(0)


「源氏物語」幻(その48)

その日ぞ、出で給へる。御容貌、昔の御光にもまた多く添ひて、ありがたくめでたく見え給ふを、この古りぬる齢の僧は、あいなう涙も止めざりけり。




六条院【光源氏】はその日、人々の前に出ました。姿かたちは、以前に増して美しく、世にないほどでしたので、老齢の僧は、とめどなく涙を流しました。


続く


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by santalab | 2014-06-27 20:45 | 源氏物語 | Comments(0)


「源氏物語」幻(その47)

まことや、導師の盃のついでに、

「春までの 命も知らず 雪のうちに 色づく梅を 今日かざしてむ」

御返し、
「千世の春 見るべき花と 祈りおきて 我が身ぞ雪と ともにふりぬる」

人々多く詠み置きたれど、漏らしつ。




六条院【光源氏】は、導師([法会などの時、衆僧の首座として儀式を執り行う僧])に酌をするついでに、

「春が来るまで、命があるかどうかも知れないから、雪が降っている今のうちに、色付きはじめた梅の花を、今日は挿頭かざし([髪に挿した花や枝])にしようか。」

導師の返し、
「永遠に春になれば見る花のように、六条院の長寿を願っているうちに、我が身は降っている雪のように、髪も白くなりすっかり年老いてしまいました。」

人々はたくさん歌を詠みましたが、書き漏らしてしまいました。


続く


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by santalab | 2014-06-27 20:41 | 源氏物語 | Comments(0)


「源氏物語」幻(その46)

梅の花の、わづかに気色ばみ始めて雪にもてはやされたるほど、をかしきを、御遊びなどもありぬべけれど、なほ今年までは、物の音も咽びぬべき心地し給へば、時に因りたるもの、うち誦じなどばかりぞせさせ給ふ。




梅の花が、わずかにほころび始めたところに雪が引き立てて、風情があり、遊びがあってしかるべきでしたが、今年のうちは、管弦の音にもむせび泣きそうな気がして、六条院【光源氏】は春らしい歌などを、口にするばかりでした。


続く


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by santalab | 2014-06-27 20:37 | 源氏物語 | Comments(0)


「源氏物語」幻(その45)

雪いたう降りて、忠実まめやかに積もりにけり。導師の罷づるを、御前に召して、盃など、常の作法よりも差し分かせ給ひて、殊に禄など賜はす。年来久しく参り、朝廷にも仕うまつりて、御覧じ馴れたる御導師の、頭はやうやう色変はりてさぶらふも、あはれに思さる。例の、宮たち、上達部など、数多あまた参り給へり。




雪がひどく降って、すっかり積もっていました。導師([法会などの時、衆僧の首座として儀式を執り行う僧])が仏前から出られたので、御前に呼んで、盃などを、いつもの儀式よりも格別にして、特別に禄([褒美の贈り物])なども与えました。長年六条の院に参り、朝廷にも仕えて、馴染みのある導師でしたが、頭がすっかり白くなって、六条の院はしみじみと時の流れを感じるのでした。いつものように、宮たち(今上帝の皇子)や、上達部([公卿])たちが、大勢参列しました。


続く


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by santalab | 2014-06-27 20:32 | 源氏物語 | Comments(0)

    

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