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「平家物語」一門都落(その1)

いけの大納言頼盛よりもりきやうも、池殿に火かけて出でられたるが、鳥羽の南の門にて、忘れたることありとて、よろひにつけたる赤印どもかなぐり捨てさせ、その勢三百余騎、都へかへり上られけり。越中ゑつちう次郎じらう兵衛びやうゑ盛次もりつぎ、弓脇挟み、大臣おほい殿の御まへに馳せまゐり、急ぎむまより飛んでり、畏まつて、「あれ御覧さふらへ。池殿御とどまりによつて、おほくのさぶらひども止まり候が、奇怪きくわいに思え候ふ。




池大納言頼盛卿(平頼盛。清盛の異母弟)も、池殿(頼盛の殿)に火をつけて都を出ていきましたが、鳥羽院([今の京都市伏見区鳥羽にかつてあった白河、鳥羽上皇の離宮])の南の門で、忘れ物があるといって、鎧につけた赤印(平家の印)を取って捨て、その勢三百騎余りで、都へ戻っていきました。越中次郎兵衛盛次(平盛次)は、弓を脇にはさみ、大臣殿(平宗盛むねもり。清盛の三男)の前へ急ぎやって来て、馬から飛んで下りて、かしこまって、「あれをご覧ください。池殿(頼盛)の勢が止まったので、侍([家臣])たちも進むのを止めましたが、一体どういうことでしょうか。


続く


by santalab | 2013-11-15 15:52 | 平家物語

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