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「承久記」官兵光季を攻むる事(その1)

去る程に、光季みつすゑも「今日は暮れぬ。明日ぞ討つ手は向かひ候はんずらん」と思ひければ立て籠る。その夜、家子けご・郎等並居て評定す。人々申しけるは、「無勢にて大勢に敵ひ難し。私の遺恨にあらず。忝くも十善の帝王を御敵に受けさせ給へり。夜の内に京を紛れ出でさせ給ひて候はば、美濃・尾張になどか馳せ延べさせ給はざるべき。または若狭の国へ馳せ越えて、船に召され越後の庄に着きて、それより鎌倉へ伝はせ給へ」と、口々に詮議す。




さるほどに、光季(伊賀光季)も「今日は日が暮れた。明日には討つ手が向かって来るだろう」と思って宿所に立て籠もりました。その夜、家子([一家の者])・郎等([家来])一同で評定([皆で相談して決めること])しました。人々が申すには、「無勢に大勢では敵いません。これは私の遺恨ではありません。恐れ多くも十善の帝王([君主])を敵に回す戦いとなります。夜の内に京を紛れ出れば、美濃・尾張まで逃れることができます。または若狭国を急ぎ越えて、船に乗り越後庄に着いて、そこから鎌倉へ渡りなさいませ」と、口々に言い合いました。


続く


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by santalab | 2013-11-20 06:47 | 承久記 | Comments(0)

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