思ひ切り留まる者は、郎等に贄田の余三郎・鼓の五郎・飯淵の三郎・大住の進士・山村の次郎・河内の太郎・治部の次郎・うのての次郎・大村の又太郎・金王丸、以上二十七人なり。各々父母・妻子の別れは悲しけれども、年来の誼み・当座の重恩、また未来の恥も悲しければ、屍を九重の土に晒すべしとて、留まりけり。
覚悟を決めて留まる者は、郎等([家来])の贄田余三郎・鼓五郎・飯淵三郎・大住進士・山村次郎・河内太郎・治部次郎・うのての次郎・大村又太郎・金王丸、以上二十七人でした。各々父母・妻子との別れを悲しく思いましたが、年来の誼・当座の重恩、また未来の恥も悲しくて、屍を九重([内裏])の土に晒すべきと、留まった者たちでした。
(続く)