Santa Lab's Blog


「滝口入道」溜涙(その1)

消えびん露の命を、何にかけてや繋ぐらんと思ひきや、四五日経て滝口が顔に憂ひの色しばらく去りて、今までの如く物につけ事に触れ、思ひわづらふ様も見えず、胸の嵐は知らねども、うはべはまきのこずゑのさらとも鳴らさず、何者か失意の恋にかへてその心をなぐさむるものあればならん。




死ぬほどにつらく思うはかない命を、何に支えて繋ぐのかと思っていましたが、四五日経って滝口(斎藤時頼ときより)の顔から悲しみがしばらく去って、かつてのように物につけ事に触れ、思い煩う様子もなく、胸の内は分かりませんでしたが、うわべは槇の梢の葉音ほどの音も立てず、まるで何者かが失意の恋に引き換えて時頼の心を慰めたかのように見えました。


続く


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by santalab | 2014-03-05 00:19 | 滝口入道

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