Santa Lab's Blog


「滝口入道」火炎(その3)

平和の時こそ、供花焼香に経をひるがへして、利益りやく平等の世とも感ぜめ、祖先十代とおのが半生の歴史とを刻みたる主家の運命日に非なるを見ては、目を過ぐる雲煙とは滝口いかで看過するを得ん。人の噂に御方の敗北を聞く毎に、無念さ、もどかしさに堪へ得ず、二つの腕をやくして法体ほつたいの今さら変へ難きを恨むのみ。




平和な時代は、花を供え焼香し経を唱えて、利益([仏菩薩などが衆生など他に対して恵みを与えること])は平等にあると思っていた滝口(斎藤時頼ときより)でしたが、祖先十代と己の半生の歴史を刻んだ主家(平家)の運命が日を重ねるごとにそうではないのを見て、目の前を通り過ぎる雲煙と放っておくことはできませんでした。人の噂に平家の敗北を聞くたびに、無念さ、思うようにならない気持ちに堪え切れなくなっては、二本の腕を抑えつけて法体([僧侶])の身を今さら変えることはできないと悲しむばかりでした。


続く


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by santalab | 2014-03-07 12:59 | 滝口入道

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