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「承久記」宇治の敗るる事(その2)

武蔵の太郎、中将の兜の鉢を射払ひて、後の首に射立てたり。薄手なれば遁げ延ぶ。また京方右衛門のすけ朝俊ともとし、させる弓矢取りて、朝家に忠を致すべき身にもあらぬが、望み申して向かひけり。大勢に向かひて「朝俊」と名乗りて駆けければ、取り籠めて討つてけり。仕出だしたる事はなけれども、申ししことばひるがへさずして、討ち死にしけるこそ哀れなれ。




武蔵太郎(北条時氏ときうぢ)は、中将(甲斐宰相中将藤原範茂のりもち)の兜の鉢を射抜いて、矢首の後ろに刺さりました。けれども薄手でしたので逃れることができました。また京方の右衛門佐朝俊(藤原朝俊)は、弓矢を取り、朝家([朝廷])に忠義を致す武士の身ではありませんでしたが、自ら望んで軍に向かいました。大勢の敵に向かって「朝俊」と名乗り駆けましたが、取り籠められて討たれました。大した働きはありませんでしたが、自らの言葉を取り消すことなく、討ち死にしたのは哀れなことでした。


続く


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by santalab | 2014-04-15 07:23 | 承久記

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