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「太平記」義貞夢想の事付諸葛孔明事(その1)

その七日に当たりける夜、義貞よしさだの朝臣不思議の夢をぞ見給ひける。所は今の足羽あすは辺と思えたる川の辺にて、義貞と高経たかつね相対あひたいして陣を張る。いまだ戦はずして数日すじつるところに、義貞にはかに高さ三十丈さんじふぢやうばかりなる大蛇に成つて、地上に臥し給へり。高経これを見て、兵を引き楯を捨てて逃ぐる事数十里すじふりにして止まると見給ひて、夢はすなはち醒めにけり。義貞つとに起きて、この夢を語り給ふに、「りようはこれ雲雨うんうの気に乗つて、天地を動かす物なり。高経雷霆らいていの響きに驚いて、葉公せふこうが心を失ひしが如くにて、去る事候ふべし、めでたき御夢なり」とぞ合はせける。




調伏の法を行わせてから七日目の夜、義貞朝臣(新田義貞)は不思議な夢を見ました。所は今の足羽(現福井県福井市)辺と思える川(足羽川)の近くと思えました、義貞と高経(斯波しば高経)と相対して陣を張っていました。いまだ戦わずして数日を経るところに、義貞はたちまち長さ三十丈(約90m)ほどもあるばかりなる大蛇になって、地上に臥していました。高経はこれを見て、兵を引き楯を捨てて逃げること数十里と見て、夢から醒めました。義貞はすぐに起きて、この夢を話すと、「竜雲雨の気に乗って、天地を動かすものでございます。高経は雷霆([雷])の音にに驚いて、葉公(孔子の時代の人。竜が大好きだったらしい)でさえ心を失って、逃げて行くことでしょう、吉兆に違いございません」と言いました。


続く
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by santalab | 2014-06-10 08:04 | 太平記 | Comments(0)

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