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「源氏物語」幻(その41)

みづからし置き給ひけることなれど、「久しうなりける世のこと」と思すに、ただ今のやうなる墨つきなど、「げに千年の形見にしつべかりけるを、見ずなりぬべきよ」と思せば、甲斐かひなくて、疎からぬ人々、二、三人ばかり、御前にて破らせ給ふ。




六条院【光源氏】自らが残し置いた文でしたが、「ずいぶん昔のことになったな」と思って見れば、今書いたような墨の色でした、「千年の形見にしようと思って残しておいたが、結局見ることはなかったな」と思って、残して置いても仕方ないと、親しくしている女房、二、三人を、御前に呼んで破らせました。


続く


by santalab | 2014-06-27 20:15 | 源氏物語

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