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梅の花の、わづかに気色ばみ始めて雪にもてはやされたるほど、をかしきを、御遊びなどもありぬべけれど、なほ今年までは、物の音も咽びぬべき心地し給へば、時に因りたるもの、うち誦じなどばかりぞせさせ給ふ。
梅の花が、わずかにほころび始めたところに雪が引き立てて、風情があり、遊びがあってしかるべきでしたが、今年のうちは、管弦の音にもむせび泣きそうな気がして、六条院【光源氏】は春らしい歌などを、口にするばかりでした。
(続く)
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