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Santa Lab's Blog


「曽我物語」千草の花見し事(その9)

「恐れながら、普門品ふもんぼんをば遊ばしさうらはずや」。「如何なる観音くわんおんの誓ひにも、背く者許し候へとは説き給はぬぞ」。「聞こし召され候へ。昔、天竺てんぢくに、しやうめつ婆羅門ばらもんと言ふ人あり。物の命を千日千殺して、悪王あくわうに生まれんと言ふぐわんを起こし、早や九百九十日に、九百九十九の生き物を殺し、千日に満ずる日、西山せいざんに上りて見れどもなし。玉江ぎよつかうに下り、船に乗り、海中に出でて、比翼の亀を一つ取りて、害せんとす。母、これを悲しみて、渚に出でて見れば、波風高くして、雲の雷電おびたたしく、その中に、婆羅門、亀を害せんとす。




「恐れながら、普門品(『観音経』)を知っておられるでしょう」。「どの観音の誓いにも、親に背く者を許せとは説いておりません」。「お聞きください。昔、天竺に、しやうめつ婆羅門(香姓婆羅門?釈迦に帰依したバラモン)と言う人がいました。生き物の命を千日千殺して、悪王に生まれるという願を起こし、すでに九百九十日間に、九百九十九の生き物を殺し、千日に満ずる日、西山に上りましたが生き物はいませんでした。玉江に下り、船に乗り、海に出て、比翼の亀を一つ捕らえて、殺そうとしました。母は、これを悲しんで、渚に出て見れば、波風高く、雲の雷電激しく、その中で、婆羅門が、亀を害そうとしていたのです。


続く


by santalab | 2015-04-22 16:38 | 曽我物語

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