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「曽我物語」費長房が事(その3)

よくよく見廻りて、『今は出でん』と言ふ。老人らうじん、竹のつゑを与へて、『これを付きて出でよ』と言ふ。すなはち、付くと思へば、時の間に、をしみつと言ふ所に至りぬ。この杖を捨てければ、すなはち竜と成りて、天に上がりぬ。費長房ひちやうばうは、鶴に乗りて、天に上りけり。これも、功を積もるゆゑなり。三年までこそなくとも、待ちて見よ」とぞまうしける。




壺の中の世界をよくよく見廻ってから、費長房が『壺から出ましょう』と申した。老人は、竹の杖を費長房に与えて、『これを付いて出よ』と申した。すぐさま、費長房が杖を付いたかと思えば、あっという間に、をしみつ(睢水すゐすゐ?項羽と劉邦の戦い、睢水の合戦の場所。現河南省)と言う所に着きました。この杖を捨てると、たちまち竜となって、天に上っていった。費長房は、鶴に乗って、天に上ったそうだ。これも、功を積んだ故のことよ。三年とは言わないが、しばらく待ってみようではないか」と申しました。


続く


by santalab | 2015-04-24 12:28 | 曽我物語

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