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Santa Lab's Blog


「曽我物語」斑足王が事(その5)

ややありて、「それがし兄弟きやうだい数多あまたさうらへども、身の貧なるに依りて、所々の住まひ仕る。ただ、あの殿一人こそ、連れ添ひてはさうらへ。祐成すけなりを不便に思し召され候はば、御慈悲を以つて、御許し候へかし。御子とても、御身に添ふ者、我ら二人ならでは候はぬぞかし」。母聞きて、「こころに合ふ時は、胡越こゑつもらんていたり。合はざる時は、骨肉もてきしやうたり。智者の敵とは成るとも、愚者の友とは成るべからず。くらゐの高からぬを歎かざれ、知の広からぬをば歎くべし」とは、漢書かんじよの言葉ならずや」。




しばらくして、「某には、兄弟が数多くおりますが、身の貧しさ故、それぞれ別々に暮らしております。ただ、あの殿一人ばかり、連れ添っています。この祐成を不憫に思われるのならば、ご慈悲を以って、お許しくださいませ。子として、御身に添う者は、我ら二人のほかにはありません」。母は聞いて、「心が通じれば、胡越([古代中国の、北方の胡の国と南方の越の国。 互いに遠く離れていること、また、疎遠であることをたとえていう語])もらんてい([昆弟]=[兄弟])となります。意に背けば、骨肉([直接に血のつながっているもの 。親子・兄弟など。肉親])もまたてきしやう([讐敵しうてき]=[恨みのある相手])となるのです。智者の敵となるとも、愚者の友とはなるべきではありません。位の高からぬのを嘆くより、知の広からぬのを嘆くべき」とは、漢書の言葉ではありませんでしたか」。


続く


by santalab | 2015-04-26 17:05 | 曽我物語

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