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Santa Lab's Blog


「曽我物語」斑足王が事(その9)

事こそよけれと思ひければ、「助けさうらはん。御許し候へ」と言ふ。母、「さらば、許す。止まり候へ」とのたまへば、その時、十郎じふらう、怒りを止めて、こゑやはらかにして、座敷になほり畏まりたりけり。されども、忍びの涙の進みければ、とかく物をも言はざりけり。五朗ごらうも、恨みの涙の引き替へて、嬉しさの忍びの涙しきりにして、前後をさらにわきまへず。




十郎(曽我祐成すけなり)はうまく行ったと思い、「ならば助けましょう。勘当を許していただけますか」と申しました。母は、「そなたが助けると申すならば、許しましょう。ですから止めなさい」と申せば、その時、十郎は、怒りを鎮めて、おだやかな声になり、座敷に畏まり居ずまいを正しました。けれども、忍びの涙は溢れて、何も言えませんでした。五朗(曽我時致ときむね)も、恨みの涙に引き替えて、うれしさの忍びの涙をとめどなく流して、前後も知れないほどでした。


続く


by santalab | 2015-04-26 18:41 | 曽我物語

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