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「曽我物語」和田の館へ行きし事(その3)

盃二三度廻りて後、和田のたまひけるは、「あひ構ひて、せばよくし給へ。し損じなば、一家の恥辱なるべし。後ろ楯にはなり申すべし。頼もしく思ひ給へ」とて、さかづき差されけり。折節をりふし梶原かぢはら源太げんだ、館の前をとほりけるが、かく言ふを聞き付けて、「何事ぞや、和田殿。曽我の人々に、「せばよくせよ」とおほせられつる、不審なり。御耳にや入れさうらふべき」と言ふ。




盃が二三度廻って後、和田(和田義盛よしもり)のが申すには、「よくよく案じて、事を成すように。し損ずれば、一家の恥辱となる。後ろ楯になりましょうぞ。頼りに思われよ」と申して、盃<を差しました。ちょうどその時、梶原源太(梶原景季かげすゑ)が、館の前を通っていましたが、和田(義盛)がそう言うのを聞き付けて、「何の話をしておられるや、和田殿。曽我の人々(曽我祐成すけなり時致ときむね)に、「よくよく図り成されよ」と申されたのが、怪しく思われます。君(源頼朝)のお耳に入れるべきかとおほせられつる、」と言いました。


続く


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by santalab | 2015-05-31 18:38 | 曽我物語 | Comments(0)

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