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「曽我物語」眉間尺が事(その7)

伯仲はくちゆう走り寄り、大王だいわうかうべを取り、眉間尺みけんじやくが煮らるる釜の中へ打ち入れたり。わうの首も、いきほひ劣らで、眉間尺が首と喰ひ合ひけり。その時、伯仲、山にて約束せし事なれば、「我も、大王に野心深し。この為ぞかし」と言ひも果てず、我が首を掻き切り、釜の中へ投げ入れたり。この三つの首、釜の中にて、一日一夜ぞ、喰ひ合ひける。つひには、王の首、負けにけり。その後、二つの首も、威勢衰へにけり。執心しうしんのほどぞ、恐ろしき。




伯仲は走り寄り、大王の首を取り、眉間尺が煮られている釜の中へ打ち入れました。王の首も、勢いは劣らず、眉間尺の首と喰い合いました。その時、伯仲は、山にて約束したことでしたので、「わたしも、大王を深く恨んでおる。このために命永らえたのだ」と言いも果てず、我が首を掻き切り、釜の中へ投げ入れました。この三つの首は、釜の中で、一日一夜、喰い合いました。遂に、王の首は、負けました。その後、二つの首も、威勢は衰えました。執心のほどは、恐ろしいものでした。


続く


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by santalab | 2015-07-11 11:28 | 曽我物語

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