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「曽我物語」浅間の御狩の事(その4)

明けければ、入間いるまの久米にて、追鳥狩おひとりがりぞありける。この人々も、勢子せこの者どもに交はり、狩りづゑ振り立てて、心も起こらぬ鳥を立て、落葉に目をば懸けずして、もしもたづぬる人もやと、をか遠見とほみ立ち交はり、ここやかしこに狙へども、かたきむまにて馳せ廻り、彼らは徒歩かちなるうへ、弓矢持たざれば、空しく余所目ばかりにて、その日も暮れて果てにけり。




夜が明けると、入間の久米(現埼玉県所沢市)で、追鳥狩り([山野でキジなどを勢子に追い立てさせて狩ること])がありました。この人々(曽我祐成すけなり時致ときむね)も、勢子([狩猟を行う時に、山野の野生動物を追い出したり、射手のいる方向に追い込んだりする役割の人])の者どもに交わり、狩り杖を振り立てて、興味もない鳥を追い立て、落葉にも目を懸けずに、もしや尋ねる人がいるかと、岡の遠見に立ち、ここやかしこで狙いましたが、敵(工藤祐経すけつね)は馬で馳せ廻り、彼らは徒歩の上に、弓矢も持っていませんでしたので、空しく余所目に見るばかりで、その日も暮れて果てました。


続く


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by santalab | 2015-07-15 08:22 | 曽我物語

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