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「太平記」書写山行幸の事付新田注進の事(その3)

また延暦寺の中堂供養ちゆうだうくやうの日は、上人当山にましましながら、ほのかに如来唄によらいばいを引き給ひしかば、梵音ぼんおん遠く叡山の雲に響いて一会いちゑ奇特きどくを顕はせし事ども、委細に演説仕りたれば、主上しゆしやう不斜信心を傾けさせ給ひて、すなはち当国の安室やすむろがうを御寄附あつて、不断如法経ふだんによほふきやう料所れうしよにぞ被擬ける。今に至るまで、その妙行めうぎやう片時へんしおこたる事なうして、如法如説によほふによせつ勤行ごんぎやうたり。まことに滅罪生善めつざいしやうぜん御願ごぐわん難有かりし事どもなり。




また延暦寺の中堂供養の日(薬師如来縁日毎月八日?)には、性空上人は当山(書写山)におられながら、ほのかに如来唄([如来をたたえた勝鬘経しようまんぎやうの八句の梵唄ぼんばいの調子で歌うもの])を口ずさめば、梵音は遠く叡山の雲に響いて一会の奇特を顕わしたことなど、委細に説いたので、主上(第九十六代後醍醐天皇)は深く信心を傾けさせて、たちまち当国の安室郷(現兵庫県姫路市)を寄附されて、不断如法経の料所([特定の所用の料にあてるための領地])に当てられました。今に至るまで、その妙行は片時も怠ることなく、如法如説([仏の教えどおりであること])の勤行となっています。まことに滅罪生善の御願はありがたいものでした。


続く


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by santalab | 2016-03-26 08:53 | 太平記 | Comments(0)

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