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「太平記」越後守自石見引返事(その5)

これより播磨までは、道のほど異なる事あらじと思ふ処に、美作の国の住人ぢゆうにん芳賀はが角田つのだの者ども相集つて七百余騎、杉坂の道を切り塞いで、越後ゑちごかみを打ち留めんとす。只今備中の軍に打ち勝つて、いきほひ天地をしのぐ河津・高橋がりやう一揆、一矢をも射させず、抜かれにけり。両国の軍に事故なく打ち勝つて、越後の守師泰もろやす・武蔵五郎師夏もろなつ、喜悦の眉を開き、観応二年二月に、将軍の陣を取つてをわしける書写坂本へ馳せ参る。




これより播磨までは、道中何事かあろうかと思うところに、美作国の住人、芳賀・角田の者どもが集まり七百余騎が、杉坂(現岡山県美作市と兵庫県佐用郡佐用町の境にある峠)の道を切り塞いで、越後守(高師泰)を討ち留めようとしました。けれども備中の軍に打ち勝って、勢い天地を凌ぐ河津・高橋両一揆は、一矢を射させず、通り過ぎました。両国の軍に何事もなく打ち勝って、越後守師泰・武蔵五郎師夏(高師夏。高師直もろなほの子)は、喜悦の眉を開き、観応二年(1351)二月に、将軍(足利尊氏)が陣を取っていた書写坂本(現兵庫県姫路市)に馳せ参りました。


続く


by santalab | 2016-11-06 08:57 | 太平記

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