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「太平記」大内裏造営の事付聖廟の御事(その23)

おほきに驚き思し召して、やがて延喜の年号を延長に改めて、菅丞相流罪の宣旨を焼き捨てて、官位を元の大臣にかへし、正二位じやうにゐの一階を被贈けり。その後天慶てんぎやう九年近江あふみの国比良の社の袮宜ねぎみぶ良種よしざねに託して、大内おほうちの北野に千本の松一夜に生ひたりしかば、ここに建社壇、奉崇天満大自在天神けり。御眷属けんぞく十六万八千じふろくまんはつせんの神なほもしづまり給はざりけるにや、天徳二年より天元五年に至るまで二十五年の間に、諸司八省三度まで焼けにけり。




君(第六十代醍醐天皇)はたいそう驚かれて、やがて延喜の年号を延長に改めて、菅丞相(菅原道真)流罪の宣旨を焼き捨てて、官位を元の大臣(右大臣)に返し、正二位の階(位階)を贈られました。その後天慶九年(946)に近江国比良社の袮宜([神職の職称の一。宮司の下位])、神良種に託宣があって、大内の北野に千本の松が一夜にして生えたので、ここに社壇を建て、天満大自在天神を祭神として崇めました。けれども眷属([一族])十六万八千の神はなおも静まらなかったか、天徳二年(958。ただし、内裏が焼けたのは、天徳四年(960))より天元五年(982)に至るまで二十五年の間に、諸司八省は三度焼けました。


続く


by santalab | 2017-04-08 08:05 | 太平記

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