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「太平記」武蔵野合戦の事(その5)

二番に脇屋左衛門さゑもんすけが二万余騎と、白旗一揆が二万七千余騎と、東西より相懸あひがかりに懸かつて、一所にさつと入り乱れ、火を散らして戦ふに、汗馬かんばの馳せ違ふ音、太刀の鐔音つばおと、天に光り地に響く。あるひは引つ組んで首を取るもあり被取もあり、あるひは弓手馬手ゆんでめてに相付きて、切つて落とすもあり被落もあり。血は馬蹄に被蹴懸紅葉もみぢそそく雨の如く、かばね野径やけいに横たはつて尺寸せきすんの地も不余。追ひ靡け懸け立てられ、七八度がほど戦つて東西へさつと別れたれば、敵御方に討たるる者また五百人に及べり。




二番に脇屋左衛門佐(脇屋義治よしはる。新田義貞の弟、脇屋義助よしすけの子)の二万余騎と、白旗一揆の二万七千余騎が、東西より相懸かりに懸かって、一所にさっと入り乱れ、火を散らして戦いました、汗馬の馳せ違う音、太刀の鐔音が、天に光り地に響きました。あるいは引っ組んで首を取るもあり取られるもあり、あるいは弓手馬手([左右])に付いて、斬って落とす者もあり落とされる者もありました。血は馬蹄に蹴り駆けられて紅葉に降る雨の如く、屍は野径([野路])に横たわって尺寸の地も残しませんでした。追い靡け駆け立てられ、七八度ほど戦って東西へさっと別れると、敵味方に討たれる者は五百人に及びました。


続く


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by santalab | 2017-04-29 08:52 | 太平記 | Comments(0)

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