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「太平記」兵部卿宮薨御の事付干将莫耶事(その8)

この口の中に含んだりし三寸の剣、えんの国に留まつて太子丹が剣となる。太子丹、荊軻けいか秦舞陽しんぶやうをして秦の始皇しくわうたんとせし時、みづか差図さしづの箱の中より飛び出でて、始皇帝を追ひ奉りしが、薬の袋を被投懸ながら、口六尺のあかがねの柱の半ばを切つて、つひに三つにれて失せたりし匕首ひしゆの剣これなり。その雌雄二つの剣は干将莫耶かんしやうばくやの剣と被云て、代々の天子の宝たりしが、陳の代に至つて俄かに失せにけり。




この口の中に含んだ三寸の剣は、燕の国に留まって太子丹(中国戦国時代末期の燕の王族)の剣となりました。太子丹は、荊軻(中国戦国時代末期の刺客)・秦舞陽をもって秦始皇帝を討とうとした時、自ら差図([地図])の箱の中から飛び出て、始皇帝を追いかけました、剣は薬の袋を投げ懸けられながら、口(口径)六尺の銅の柱の半ばを切って、遂に三つに折れて失せた匕首の剣がこれです。その雌雄二つの剣は干将莫耶(名剣の製作者である夫婦の名)の剣と言われて、代々の天子の宝でしたが、陳の代になってにわかに失せました。


続く


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by santalab | 2017-05-23 06:53 | 太平記 | Comments(0)

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